【あらすじ】島の高校に通うみなみは、別れを惜しむなんてバカみたいと卒業式をエスケイプ。でも、卒業を機に島を離れてしまう親友のことを思うと、心は複雑。そんなみなみのもとに、親友がやってきた。意外なプレゼントを手に…。
【選者コメント】わずか16Pながら、島という舞台の空気感や、心の微妙な機微を描ききった、圧倒的な表現力。まるで上質の短編青春映画を観たような感覚を得ました。すべての編集長から高い評価を得てのグランプリ。この瑞々しい感性を武器に、さらに飛躍を目指してください。おめでとうございます!
幽霊が見えることで、引っ込み思案になってしまったカンナ。近くの神社で出会った男のコに勇気をもらって、友だちができはじめるけれど……。彼の正体はもしかして……?
誠実な絵柄、温かなストーリー、破たんなく長編を描ききる力など、高い漫画力を感じさせられました。キャラクターのそれぞれがまとう柔らかな空気感が即戦力の予感です。
中里編集長廃鉱山を思わせる町。「革命家」を名乗る少年カイは、つけ狙う警部を翻弄しつつ、町を縦横無尽に跳びまわる! 眼の見えぬ少女ユウヒと、その革命は関係があるようなのだが……。
自由を愛する、少年誌ド真ん中のキャラ造形。描きこまれた緻密かつセンスある背景。アクションシーンの迫力。そしてラストの詩情あふれる展開。続きが読みたくなる傑作だ。
山本編集長地味で本好きな蒼には、とんでもないビッチな幼なじみ、リーコがいた。心のスキマを本で埋める蒼と、男女問わずに肌の温もりで埋めるリーコ。ある日、リーコの噂が学校に流れ……!?
一見、真逆な2人が共有する「満たされない」という感覚が、短いストーリーの中で見事に表現されています。そして、それが満たされた瞬間の清涼感! 異質だが良質な少女漫画でした。
岸本編集長主人公は少年。実はアネモネの花。花屋で景子さんという女性に買われ、彼女に恋をします。ある日、彼とのデートから帰ってきた景子さんが泣いていて。そしてアネモネの命も……。
花を擬人化したストーリーですが、純粋なアネモネと、彼が見つめる景子さんに人間的魅力を感じました。アネモネの花が景子さんに語りかける言葉、切ない気持ちに思わず感動!
土屋編集長美大の講師・篠宗は、水をこよなく愛し、水の絵ばかり描く変わり者。そんな彼、最近水が一人の少女に見えると言う。一方、美大OGの殺人事件を追う刑事が、篠宗に疑惑を持ち……。
キャラクターの人間味が最大の魅力。絵にも艶っぽさがあり色気を感じる。キャラと空気感で最後まで読ませてくれるので、今後も深い人間ドラマを目指していきましょう!
岩間編集長