大反省会
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では編集長のみなさん、今回の感想をお願いします。グランプリのITANから。
岩間
大収穫のフェスでしたね。全体的にレベルが高く、絵が上手い人が多くしかも表現力豊かな人が多かった。なかなか出会うチャンスのない作品たちと出会い、そういう人たちにも手を伸ばさせてもらったなっていう、編集部的には大収穫でした!
岸本
pixivには本当に上手い人が集まってるなって感じがしたのと、「度肝を抜くような作品を送ってくれ」って言ったら本当に度肝を抜かれました、みたいな作品もあり(笑)、非常にびっくりしました。新鮮でよかったです。
土屋
普段のうちの新人漫画賞では来ないような作品ばかりで、一本一本パソコンで開いて見てはビックリ箱というか、宝箱みたいに感じられた賞で非常に面白かったです。これほどたくさんの作品が集まったということで、本当にpixivの力を感じました。どうもありがとうございました。
山本
編集者人生でも一番といっていいくらい応募原稿読んだんじゃないかなっていう賞でした(笑)。今回は女性誌中心だった割には、すごくバラエティに富んでたと思いますね。少年誌でもできるし青年誌でもできるし、もっとエッジの効いた雑誌でもできるんじゃないかっていう、それだけpixivの層の厚さを感じましたし、これからもよろしくお願い致します、みたいな感じのフェスでございました。
中里
うちは部署全体でpixivの作品をたくさん読めて、それが大収穫だったなぁって。なかよしの新人賞で読むものとはまた違うし、もう雑誌という器の中ではどれよって言えないものが増えてるんだなってあらためての発見がありました。可能性というか……。この状況の中で選択眼というか、面白いものを作りだす才能は増えてきてる所に、それをどうまとめたら読み手との出会いの場になるのか、セレクションの場の提供みたいなのがもっと大事になってくるのかなぁという感じです。以前読んだときよりさらに進化をすごく感じたし……。逆に編集者がやることがいっぱいある!みたいなちょっと自信持たせてもらえた。ありがとう、pixivのみなさま! でも、目がショボショボしました(笑)。
山本
ドライアイならぬピクシブアイになってる(笑)。モニターでの選考はちょっと僕はきつかったかなぁ……。コピーに直接感想を書きつけたいんですよね。
中里
でもいつでもどこでもPCから見れる、っていうのはいいですね。
岩間
もし描いてくれた人たちがみんなプロになりたい人達であれば、これからの新人賞もまだまだやりようがあるっていうふうに思います。なかなか応募が来ないっていう現状もあるんですけど。
山本
いろんな雑誌の形態があるというか、掘れる井戸はまだまだいっぱいあるんだろうなって気はしましたよね。雑誌の器におさまりきらない人達もいっぱいいるっていうか(笑)。
岩間
おさまらないのを望んでる編集長が何名かいるってこともわかったんで。それはいいことじゃないですかね。
土屋
今回応募の量がすごかったですよね、1200本ぐらいでしょ?
山本
アフタヌーンの四季賞が600。それでも業界的にすごいって言われてますよ。
あと今回は、すでに書いたものを気軽に投稿できるっていうのにしたのがやっぱり大きかった気がする。
中里
今回「自分達がどこに投稿していいかわかんない」っていう方たちが予想以上に多いんだなぁということを実感しました。雑誌の名前を出してしまうと、こんなには応募がこなかっただろうって思うし。講談社5誌っていうことから、「どこかの雑誌は自分の作品を好きってなってくれるのでは」っていう感じが、応募者からするとよかったのかなって気がする。
岸本
「自分のことを好きって言ってくれる人が好き♡」、っていう感じで。
土屋
海外からの応募作品がけっこうな本数ありましたよね。才能が海外から集まってくるってすごいと思う。ウェブの力なのかな、紙じゃできないことだなって。
中里
でも、絵がいくらうまくても海外ではまだ活躍の場がないんですよね。だから日本の漫画がこんなに注目されてるのかなって。
山本
漫画のハリウッドですからね、日本は(笑)。
岩間
とにかく気楽に投稿できるってところが、よかったんじゃないでしょうか。そんな感じがする。
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