いまだかつてこれほどまでに30代未婚女子の心をエグる漫画があっただろうか。いや、ない(多分)。
いつでも本気出せばすぐ結婚できるわ!と高を括って気づけば30代半ば。恋でも、仕事でも、10代20代の女の子たちに負け越していく。主人公はその現実を容赦なく突きつけられて懊悩、というエピソードから本作は始まる。
不安と不満を酒で紛らそうと主人公たちは居酒屋で夜な夜なクダをまくのだが、全く建設的な改善案は出てこない。出てくる言葉は「あの人と付き合えタラ」「もし好きになれレバ」の仮定の妄想話。そこから本作のタイトルでもあ
いまだかつてこれほどまでに30代未婚女子の心をエグる漫画があっただろうか。いや、ない(多分)。
いつでも本気出せばすぐ結婚できるわ!と高を括って気づけば30代半ば。恋でも、仕事でも、10代20代の女の子たちに負け越して
いく。主人公はその現実を容赦なく突きつけられて懊悩、というエピソードから本作は始まる。
不安と不満を酒で紛らそうと主人公たちは居酒屋で夜な夜なクダをまくのだが、全く建設的な改善案は出てこない。
出てくる言葉は「あの人と付き合えタラ」「もし好きになれレバ」の仮定の妄想話。そこから本作のタイトルでもある「『タラレ
る「『タラレバ』娘」が命名されたというわけだ。本気で事態を改善するにはもう、手遅れかもしれない、でもそれを認めたくなくて、必死でそこから目を逸らそうとする。そんな、30代女性たちのリアルが巧みに描かれている。彼女たちは、ここまで独身で頑張ったのだから、と経済力やルックスありとあらゆる面で優れた「いい男」を求める。
しかしこれぞまさにサンクコストの回収を試みるがごとき愚挙。ページを繰るごとにこみ上げる痛々しさが読者の胸をエグる。作者の筆は冴え渡っており、主人公にはどうか身の程を弁えた幸せな一生を送っていただきたいと読者として願わずにはいられないほどの切なさが胸に響く。
とはいえ1巻の終わりはファンタジー方向へ進むことを予感させる。リアリティが追及されるのか?妄想全開モードなのか?2巻の発売が待ち遠しい。
バ』娘」が命名されたというわけだ。
本気で事態を改善するにはもう、手遅れかもしれない、でもそれを認めたくなくて、必死でそこから目を逸らそうとする。そんな、30代女性たちのリアルが巧みに描かれている。彼女たちは、ここまで独身で頑張ったのだから、と経済力やルックスありとあらゆる面で優れた「いい男」を求める。
しかしこれぞまさにサンクコストの回収を試みるがごとき愚挙。ページを繰るごとにこみ上げる痛々しさが読者の胸をエグる。作者の筆は冴え渡っており、主人公にはどうか身の程を弁えた幸せな一生を送っていただきたいと読者として願わずにはいられないほどの切なさが胸に響く。
とはいえ1巻の終わりはファンタジー方向へ進むことを予感させる。リアリティが追及されるのか?妄想全開モードなのか?2巻の発売が待ち遠しい。