読者そのものを映し込む鏡のような
漫画がこの作品である
おおつねまさふみ
エージェント(Enlightened)・ネットウォッチャー
おおつねまさふみ
エージェント(Enlightened)・ネットウォッチャー
「サークルクラッシャー」略して「サークラ」。私と知人たちはこの「サークルクラッシャー」という言葉を造語としてでっち上げ、ネット用語として流行らせようとしたことが過去にある。ほぼ男性だけが占めるサークルの中に女性がほんのわずかだけ居ると、なぜか姫のような存在に成って男性がお互いに争いあい、色々な男女の恋愛関係が発生して、最後にはサークルが崩壊してしまう。そのような現象について、いわゆる「あるあるネタ」を中心にして表現した言葉である。
その造語をネットで発表した時は、対象となる人物像の人たちをバカにしている!と、猛烈な反感を持って批判する人も現れた。しかし、その「あるあるネタ」 そのものに関して具体的に否定できる人はついに出てこなかった。
「サークルクラッシャー」略して「サークラ」。私と知人たちはこの「サークルクラッシャー」という言葉を造語としてでっち上げ、ネット用語として流行らせようとしたことが過去にある。
ほぼ男性だけが占めるサークルの中に女性がほんのわずかだけ居ると、なぜか姫のような存在に成って男性がお互いに争いあい、色々な男女の恋愛関係が発生して、最後にはサークルが崩壊してしまう。そのような現象について、いわゆる「あるあるネタ」を中心に
して表現した言葉である。
その造語をネットで発表した時は、対象となる人物像の人たちをバカにしている!と、猛烈な反感を持って批判する人も現れた。しかし、その「あるあるネタ」 そのものに関して具体的に否定できる人はついに出てこなかった。
私達が「サークルクラッシャー」という造語を作ってあるあるネタを書くときに非常に気をつけたことがある。淡々とした視点で同意できるような細かい現象だけを書くのに留めて、そのこと自体が良いとか悪いとかの価値判断を込めないように文章を構成したことである。読んだ人が、どう捉えてどう思うのかに委ねるようにしたのだ。
さて、東京タラレバ娘という漫画も、婚期を逃して行き遅れたアラサー女子という、ある意味での「あるあるネタ」を題材にしている。独身アラサー女性が結婚をしたいと焦っ
私達が「サークルクラッシャー」という造語を作ってあるあるネタを書くときに非常に気をつけたことがある。淡々とした視点で同意できるような細かい現象だけを書くのに留めて、そのこと自体が良いとか悪いとかの価値判断を込めないように文章を構成したことである。読んだ人が、どう捉えてどう思うのかに委ねるようにしたのだ。
さて、東京タラレバ娘という漫画も、婚期を逃して行き遅れたアラサー女子という、ある意味での「あるあるネタ」を題材にしている。独身アラサー女性が結婚をしたいと焦っている様は、たいていの人にとって自分の身の回りにありふれている現象で。この作品のキャラクターたちの発言や行動の空回りっぷりをリアリティたっぷりに感じる事ができるはず。
そして同時に対象となる人物像(結婚したい独身アラサー女性)に該当する当人や、それに近い人にとっては、心に痛い描写が次々に出てくる漫画とも言える。
思わずムッとしてしまったり、細かいツッコミを入れて否定してみたくなったりすることもあるかもしれない。
だけどこの作品ではタラレバ娘という生き方を否定も肯定もしていない。作者が得意とするスピード感のあるギャグや、下手すると荒唐無稽にもなりかねないぶっ飛んでいる人物設定を織り交ぜながら、あくまでもリアルに淡々と独身アラサー女子の焦りを描いているのだ。つまり、バカにされている!否定されている!と、この漫画を読んで思ったとしたら、それは実は読者本人が深い心理の奥底でそう思っているだけなのである。
その意味で、読者そのものを映し込む鏡のような漫画がこの「東京タラレバ娘」である。
ている様は、たいていの人にとって自分の身の回りにありふれている現象で。この作品のキャラクターたちの発言や行動の空回りっぷりをリアリティたっぷりに感じる事ができるはず。そして同時に対象となる人物像(結婚したい独身アラサー女性)に該当する当人や、それに近い人にとっては、心に痛い描写が次々に出てくる漫画とも言える。
思わずムッとしてしまったり、細かいツッコミを入れて否定してみたくなったりすることもあるかもしれない。
だけどこの作品ではタラレバ娘という生き方を否定も肯定もしていない。作者が得意とするスピード感のあるギャグや、下手すると荒唐無稽にもなりかねないぶっ飛んでいる人物設定を織り交ぜながら、あくまでもリアルに淡々と独身アラサー女子の焦りを描いているのだ。つまり、バカにされている!否定されている!と、この漫画を読んで思ったとしたら、それは実は読者本人が深い心理の奥底でそう思っているだけなのである。
その意味で、読者そのものを映し込む鏡のような漫画がこの「東京タラレバ娘」である。
おおつねまさふみ
趣味はネットウォッチと散歩。「観察対象は触っちゃだめ」という、古きよきネットウォッチ文化を今に伝えるベテランウォッチャー。「巧遅」よりも「拙速」を重んじているスタンスには根強いファンも多い。玄人好みのインフルエンサーとして珍重されている。
勝間和代
経済評論家・
中央大学ビジネススクール客員教授
「女性としての容姿だけでは勝負が出来なくなった中で、どう生き残る!?」
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やまもといちろう
投資家、東京大学政策ビジョン研究
センター客員研究員
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女性たちの素敵な精神崩壊っぷり」
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ヤバイ。酷い漫画だ。現実が厳し過ぎて次を読みたくなる。行き遅れに悩み焦るアラサー独身女と、その甘えきった腐った感情を真正面から否定しかき回してくれる奇特なイケメンが織り成す現代のファンタジー。努力しても毎度毎度立ちふさがる高い壁。ちょっとした男性のしぐさを好意的に解釈しすぎ、期待に胸を膨らませ、前のめりになった瞬間、無残に突き落とされるアラサー独身女の心…
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いまだかつてこれほどまでに30代未婚女子の心をエグる漫画があっただろうか。いや、ない(多分)。いつでも本気出せばすぐ結婚できるわ!と高を括って気づけば30代半ば。恋でも、仕事でも、10代20代の女の子たちに負け越していく。主人公はその現実を容赦なく突きつけられて懊悩、というエピソードから本作は始まる。不安と不満を酒で紛らそうと主人公たちは居酒屋で夜な夜な…